三十三間堂

さらにバスで移動。三十三間堂へ。「付け足し」の極みである。まず一体一体の観音像の背に無数の手が「付け足されて」いる。千手観音と呼ばれるこの像が、横一列に延々並べられている。ここまでくると「付け足し」という言葉を超えている。しかしながら、これほどまでに横に長い建物をつくり、そこに千を超える像を並べようと思い立つのはいったいなぜか。ここでもまたカフカ先生に登場して頂かなければ。「ある朝、グレゴール・ザムザが不安な夢からふと覚めてみると、自分の背に無数の手が生え、そして自分と全く同じ姿をした者が横一列に並んでいるのに気がついた。寝室は横長に引き伸ばされていた」。