2004-01-01から1年間の記事一覧

メリークリスマス

この「森島の学習」の読者層はおもに小学校低学年のみんなだとおにいさんは考えているんだけど、きょうはみんなにおねがいがあるんだ。みんなは、孫だよね。そんな孫のみんなへのおねがい。もうすぐみんなはおじいちゃんやおばあちゃんからお年玉をもらうよ…

あとがき

静男先生や美恵子先生の「話のずらしっぷり」が最近の主なおもしろがるポイントになっていて、自分もできるだけおもしろく話をずらしていきたいとは思っているんだけど、もっといろんな種類のおもしろさを、ともちろん思ってもいて、最近「神聖喜劇」と「言…

静男先生ありがとう、いつもおもしろい小説を書いてくれて・・・・・・

藤枝静男先生の『田紳有楽・空気頭』、これはおもしろいところが多すぎて、結局付箋をはれなかった。この小説のおもしろいところのうちのひとつをおおざっぱに言うと、読んでいるうちに「この小説はこういう小説だろう」という予想やイメージがどんどんずれ…

まえおき

いま小説が30枚程度。建売住宅建設地にビーチチェアを置いて日光浴をするビキニの女ふたりのところから書き始めて、小学生がコクヨのノートに大迷路を書いているところまでで30枚。 心配なのは、ビキニの女ふたりがなぜ建売住宅建設地で日光浴をしている…

小説のおもしろいところ(もっと小説をおもしろがるために)

先日、バンクビジネスという雑誌(「融資説明こんなときどうする大事典」という特集)を読んでいて、そこにはいろいろなケースを想定して、見本の答え方が書かれているんだけど、そのなかでも答えづらそうな「融資謝絶時の説明」(パート4「融資謝絶時の説…

天動説と地動説

今朝めざましテレビで、最近の小学生はかなりの割合で天動説を信じているらしいというニュースを見てなんだそのニュースと思ったんだけど、地動説を理解したり信じたりするのは真実を追究したいという熱意などからではなくて、えー!太陽とか月とか星とかが…

乳児は小説を書けない

小説を書き始めた。はてなダイアリーを使って、断片的に思いついたところだけ書くことにした。どうも俺はいきなり完璧なものを最初から順番に書こうと思っていたふしがあったし、なにかしら新しい書き方みたいなものを発明したいと考えるふしもあったので、…

えげつなさに痺れた土曜日

週末の楽しみといえば映画をみに出かけることくらいだから、また今日も昼過ぎに家を出て名鉄に乗り名古屋まで出て、地下鉄で栄へ移動し、オアシス21の出口から名演小劇場まであるき、『ドリーマーズ』を観た。同じ劇場の三階では『だれも知らない』を上映…

遅い反抗期

今日は約束手形の割引をしながら、『Lovely Rita』の突然ズームするカメラについて考えていた。『Lovely Rita』のことを考えながら手形の割引をしていたせいで、金額につける「,」の位置を間違えた。「,」を四桁目につけてしまったんだけど、自分としては…

小説を読んで独り善がりな感想を書いてるだけではつまらないので、あたらしくダイアリーを借りたりして、そろそろ断片的に小説を書く練習をしようかと思う。ほんとに書けるのかな、なんにも書けなかったりして。働きたくないとか言ってる怠け者だから。

書きたくない

仕事はいやだけど、最近読んだ小説はどれもおもしろくてそれは嬉しい。まず中原昌也先生、『マリ&フィフィ〜』はだいぶ前に読んでいて、最近『あらゆる場所に花束が・・・・・・』と『待望の短篇集は忘却の彼方に』を読んだんだけど、『あらゆる場所に〜』…

働きたくない

今週は月末ということもあって残業ばっかりだった。七月に預金係から融資係に移り、直属の上司が事務副長から次長に変わり、つらくなった。この次長というのが、真夜中に小林亜星*1と、両目を入れられた達磨が紫色の鏡の前で出会った結果生まれてしまった危…

観光と事件

いま私の太ももの上には「鎌倉を歩く」という旅行ガイドブックがのっている。ページをめくると、「高徳院の鎌倉大仏」の写真が載っていて、私はそれを見に行きたいと思うし、江ノ電にも乗りたいと思う。夏の間に休みがもらえたら、出かけるかもしれない。そ…

スパイダーマンとカフカ

このまえの土曜日に「スパイダーマン2」を観て、すごく気に入って、どこが気に入ったのかと考えながら生活していた今週も終わりに近づいたので、金曜日を締め切りとして気に入ったところを整理しておきたいと思う。 まず「スパイダーマン2」を観る前に立ち…

いまここで、ロブ=グリエ文学の隠された構造を、「机から机への距離のない歩み」へと還元する試みに加担することを、ここまで書きつがれてきた言葉が、厳しくみずから禁じているのだ。すべては表層に刻まれており、その刻印はわれわれをどこへも誘いだして…

蓮實先生の『批評あるいは仮死の祭典』*1の中にロブ先生についての文章があり、それはとても興味深い。 彼が伝統的なと呼ぶ創造行為にあっては、「作品」は一つの見えない謎を隠したものとして機能し、したがって読者の勤めは、奥の、より深くに埋蔵された真…

ロブ=グリエ先生の『迷路のなかで』をやっと読み終わった。読み始めてすぐ、なるほどこれが「幾何学的な描写」かと思ったけど、「幾何学的」というより、数学の問題文みたいな描写に思えてしかたなかった。高校生の頃数学が苦手すぎて常に赤点をとっていた…

迷路ですよ

七月の半ばになり、信用金庫に入庫してから三ヶ月が経った。この三ヶ月間で事務副長の面白さが分かってきた。 事務副長は、「おごるな・いばるな・あせるな・くじけるな・まけるな」と自分で書いた標語を机の上のビニールシートに挟んでいて、初めてそれを見…

肉汁をめぐって

机の上を整理しようとしたら、高校生の頃に書いた小説が出てきた。コクヨの20×20の原稿用紙9枚に書かれたそれを見つけたとき、俺はおののいた。 書いた、ということだけは覚えていた―17歳か18歳の俺は、コメディアンになりたいと願っていて、しかし…

「いま、ここ」で「生きること」

だいぶ前に拾い読みだけして、そのままほったらかしにしていた『表層批評宣言』をもう一度手にとって、最初のページから順番に読み進めて行くと、これがとてもおもしろく、2004年のいま、22歳で『表層批評宣言』を読んでおもしろいと喜んでいることが…

簿記の週間

今週は簿記の週間なんです。週末に日商簿記三級の試験があるから、勉強しなければいけないんです。一日にだいたい一時間くらい勉強しているだけなんですが、このペースで行くと合格が危ぶまれるので、一日一時間半くらいにしようかとも思いますが、それだと…

「〜だらだらした感想」の嫌なところ

あなたの『ロスト・イン・トランスレーション』についての感想を読みました。それで幾つか嫌な点があったので、ここで指摘しておこうと思います。 まずは、全体的なことについてですが、あなたが「感想」においてやろうとしたことは、要するに「散らかった部…

『ロスト・イン・トランスレーション』について、だらだらした感想

このまえの土曜日に『ロスト・イン・トランスレーション』を観て(今インフォシークのテキスト翻訳でタイトルを訳してみたら「翻訳の中で失われました。」と出てきて、〈そうですか、失われましたか・・・それは大変でしたね・・・・〉と思ったんですが)、…

イキイキしている/していない問題

今週は金井美恵子先生の『タマや』を読んで、『文章教室』→『道化師の恋』→『タマや』というのは四部作の順番を間違えていたことに気づき、ああこれはスターウォーズみたいになっちゃったなとどうでもいいことを思ったりもしたけれど、楽しめたから良かった…

やったァ!!

『乙女回路』さんと『Yeah めっちゃダイアリー』さんがこの森島を取り上げてくださったョ! http://d.hatena.ne.jp/hentai/20040527 http://d.hatena.ne.jp/churos/20040527 『乙女回路』さんは、とってもおもしろくて、特に「nyo」なんて書かれた日にはもう…

バカにされない方法

しばらくぼくの話を聞いていただきたいと思うんですが・・・・何から話そうかな・・・・みなさん本は読まれますか?そうですか、お若い頃は、なるほど・・・・僕は最近『道化師の恋』を読んだんです、金井美恵子先生が書かれたんですけれども・・・・その前…

目標

小説を書きたいという話に戻す。文学賞はさておき、まとまったものが書けたら恩師が読んでくださるということで、たとえ嘘でも非常に嬉しい。恩師に見捨てられないような小説を目標にしようと思う。なによりもまず恩師が面白がってくださるような物を意識す…

もっとしゃぶり尽くすべき、『文章教室』

さっそく勉強に移り、『文章教室』のこと。一通り読み終えて、すぐにまた読み直したいと思ったが、とりあえず一回目に感じたことを書いておこうと思う。 前にも書いたように『文章教室』は括弧を駆使して引用と地の文が組み合わされる構成になっている。この…

森島の逆襲

ついに恩師にこの「森」を目撃された。いつかは目に触れることもあるだろうと思い、何度もオンシオンシと繰り返してきたが、「見たぞ」とメイルを頂いた時には比喩でなく本当に身体が震えた。誰に読まれるかわからないという可能性を視野にいれて始めたはず…

バーコードバトラーのこと

Mはまだバーコードバトラーのことを考えていた。あのゲームには、あらゆる商品のバーコードが自分のバトラーになりうるというロマンがあったはずだ。ポケモンカードをおじいやおばあに大量に買わせる孫とは訳が違う。 例えば、ひとりの少年が〈糸こんにゃく…