京都大学

京都大学に足を運ぶと、ちょうど京都大学博物館でロラン・バルト先生のデッサン展が開かれていたので入る。彼のデッサンは「わからない」。わかってはいけない。彼のデッサンはどれも意味を生成するかしないかの瀬戸際で「生成しない」に留まろうとする試みではないか。このデッサンはただ見るだけでは面白くない。実際に自分で書いてみて始めて「手の幸福」が得られるはずである。これは読者が「読み手であると同時に書き手でもある」といったバルト先生の考えそのものではないか。
デッサンを見たあと、学食で食事。メニューの多さに驚く。レジの中年女性がトレーの上にチョコレートを一つそっと「付け足して」いく。今日は「バレンタインデー」なのだった。