Morishima in the Sky with Golden Balls

二月二十九日にジャパンを出発し、三月六日までのワンウィーク、ロンドンにいわゆるひとつのサイトシーングに行ってまいりました。初めてのアブロードでした。
その旅行記をここにライトしておこうと思います。
出発日、ゲットアップアーリーしてエアポートへ。コリアンエアーを利用。
初めてのジャンボジェットに緊張し、ずいぶん早くからシートベルトを締めてしまいました。そして飛び立つ瞬間には思わず声が漏れそうになりました。
機内食の寿司を食べ、二時間ほどでソウルのエアポートに到着、乗り換え。ここからネクストシートになったボーイがインタレスティングでした。
ヒーはずっとメモ帳に何かをライティングしていました。何をライティングしているのか気になって少し覗いてみると、「離陸するかと思ったらまた止まった」とか「今回はコーヒーをいただいた」とか「ものごっつ眠くなってきた」とかライトされておりました。つまりヒーはメモ帳で「実況中継」を行ってたのです。フーに?少なくともミーは彼の状況を知ることができました、ああ今この隣に居る人は「ものごっつ眠くなって」いるんだな、と。あとマンフロムカンサイだな、と。
ただ気になったのは、ヒーはどこまで「実況」するつもりだろうかということでした。ヒーはおそらく、ジャンボジェットが飛び立つ瞬間に、いわゆるひとつの、もとい、いわゆるふたつのゴールデンボールズがスーッとする感覚までは実況していないと思われます。あるいは、フライトアテンダントのヒップがものごっつセクシーや、とはライトしないだろうと思われます。ヒップうんぬんは個人的なプロブレムですが。
覗き見た限りでは、ヒーはヒムセルフにとって都合のいいことしかライトしないだろうと感じました。「さっきは英語でがんばって話し掛けてみた」など。ライターにとって都合のいいことしかライトしないのは、ダメなノベルだと思います。メモ帳はノベルではありませんが。だからと言っていわゆるふたつのゴールデンボールズとかライトするのが良いノベルかと問われれば困ってしまいますが。うーん、どうでしょう。
なぜそこまでいわゆるひとつのゴールデンボールにこだわるかと言いますと、小学校一年生のころにゴールデンボールをオペした経験があるからです。もうすこしで爆笑問題の田中ティーチャーのように「ひとつのゴールデンボール」になるところだったからです。ライターにとって都合の悪い話、終り。
機内では、ジャッキーチェンティーチャーの『メダリオン』というシネマ(もちろん最後にNG集つき)を観たり、機内食のビビンバ(コチュジャンがチューブに入っている)やシーフードパスタ(フィッシュ、オア、シーフードパスタ?と聞かれたけれども結局どちらもフィッシュ入り)を食べたり、『アビーロード』や『サージェント・ペパーズ・ロンリーハーツ・クラブ・バンド』(ロンドンに行くから)をウォークマンで聴いたり、ウィンドウからシベリアの大地を眺めたりしました。チャイナの茶色い大地、シベリアの白い大地が果てしなく広がっている様子はファンタスティックでした。時差九時間、十時間ほどかけてヒースローエアポートに到着しました。
入国の際の質問には、ワンウィーク、サイトシーングと答えておきました。
スーツケースを受け取って出ると、旅行会社の迎えのウーマンとドライバーのマンがウェイトしておりました。ウーマンはジャパニーズ、ドライバーは何人かはわかりませんが英語圏の人でした。ホテルまでの間、ウーマンとドライバーはずっと「昨日何時に寝たんだい?」「一時過ぎよ」「何して起きてるんだい?」「友達と電話してたの」「ほんとに友達?ボーイフレンドでもいるんじゃないの?」「そんなのいないわよ」といったようなことをイングリッシュでだらだらとトーキングしていました。これはアイ・キャン・リスニング・イングリッシュというちょっとした主張です。バット・アイ・キャント・スピーク・イングリッシュ・ウェルです。
ホテルはディケンズティーチャーの家や大英博物館の近くでした。
スーツケースを置くと、近くのスーパーみたいなところに行ってみました。
チーズとトマトのサンドイッチと、ボルヴィックと、レモンクリームのタルトを買いました。値段もよくわからないまま5ポンド紙幣を出してお釣りをもらいましたが、硬貨はもっとわかりませんでした。
サンドイッチはパサパサ、タルトは甘すぎでした。
テレビで『スターシップ・トゥルーパーズ』を少し観て寝ました。
それにしてもデニース・リチャーズはやたらエロティックだなあと思いましたが、うーん、どうでしょう。