だからもっと本を読まなくちゃいけない

今読んでるのは、通勤電車用に『田中小実昌エッセイ・コレクション①』と、自宅用に金井美恵子先生の『岸辺のない海』。
ずっと児童文学の語り口で児童文学っぽくない話(セックスのこととか)を書いたものが読んでみたいと思っていたんだけど、田中先生の『エッセイ・コレクション①』の「第二章 おんなたち」はまさにそんな感じだったと思う。
ここで言う児童文学の語り口っていうのは「句読点とひらがなが多め」ということ。たぶん児童文学は「読み聞かせ」の役割から、ひとの呼吸にあわせて点がうってあるし、視覚的な要素の強い「漢字」よりも声に接近するための「ひらがな」が多いんじゃないかと思ってるんだけど、そういう語り口でおんなのこの話をするとすごくよかった。
ちょっと考えてみると、「ひとの呼吸」とか、「ひらがな」の持つ「曲線」とかがうまくセックスとかみ合うとなかなか効果的なのかもしれない。
でもやっぱり田中先生の文を「児童文学の語り口」って言い切るのもどうかと思うし、実際もっと不思議なバランスで「ひらがな」と「カタカナ」と「句読点」が並んでて児童文学とはまた違った気持ちのよさがある。研修の帰りの電車で読んでるとなかなかいい。
金井先生はようやく読み始めたんだけど、ほんとにもっとはやく読んでおけばよかった。まだ『岸辺のない海』は途中だけど、すごく刺激的で面白い。じっくり読んでたくさん勉強させていただこうと思う。