2004-07-13から1日間の記事一覧

いまここで、ロブ=グリエ文学の隠された構造を、「机から机への距離のない歩み」へと還元する試みに加担することを、ここまで書きつがれてきた言葉が、厳しくみずから禁じているのだ。すべては表層に刻まれており、その刻印はわれわれをどこへも誘いだして…

蓮實先生の『批評あるいは仮死の祭典』*1の中にロブ先生についての文章があり、それはとても興味深い。 彼が伝統的なと呼ぶ創造行為にあっては、「作品」は一つの見えない謎を隠したものとして機能し、したがって読者の勤めは、奥の、より深くに埋蔵された真…

ロブ=グリエ先生の『迷路のなかで』をやっと読み終わった。読み始めてすぐ、なるほどこれが「幾何学的な描写」かと思ったけど、「幾何学的」というより、数学の問題文みたいな描写に思えてしかたなかった。高校生の頃数学が苦手すぎて常に赤点をとっていた…

迷路ですよ

七月の半ばになり、信用金庫に入庫してから三ヶ月が経った。この三ヶ月間で事務副長の面白さが分かってきた。 事務副長は、「おごるな・いばるな・あせるな・くじけるな・まけるな」と自分で書いた標語を机の上のビニールシートに挟んでいて、初めてそれを見…